アパート・マンションの去り方

「アパート・マンションの選び方」「アパート・マンションの選び方」を読まれたことを前提で、アパート&マンションの去り方、賃貸住宅からの退去に関して書いていますが、たぶん読んでいなくても問題はありません。こちらも不動産屋での勤務経験をもとにしています。

賃貸住宅の退去手続き

賃貸住宅の解約は一ヶ月前予告が定番ですが、契約内容によるので契約書の確認を忘れずに。事務所・店舗等は一ヶ月以上前になっていることが多いです。月の途中で退去する場合は、その月の家賃は日割り計算になると思います。解約は不動産屋に伝えてください。

解約日にはアパートやマンションを明け渡すことになりますので、引っ越し業者の手配や、インターネット回線絡みの手続き、転出届や国民年金・国民健康保険に加入している場合は、そちらの変更手続きも必要になります。ライフラインを止めるのは最後でも間に合います。意外と問題になるのが、引っ越し作業後に残ったゴミです。ゴミも引っ越せば問題はないですが、ゴミを送る為に料金を上乗せされたら堪りません。ですので、燃えるごみを捨てられるタイミングで退去できたらベストです。

インターネット回線でNTTのフレッツ光などを利用している場合は、NTTとプロバイダーの両方で手続きをする必要があります。NTT東日本がお問い合わせ先にしている「0120-116116」は繋がりにくいです。ネット上で手続きできたらよいのですが、解約の場合は電話オンリーだったりします。解約させたくないのでしょうね。引っ越しの際には、NTTから借りている機器を返却する必要があるので、引っ越しと同じタイミングで来てもらうことになります。

敷金返金と返却する物

退去時に大家さんに返すものは、今まで住んでいた部屋の鍵です。入居時に備え付け家電の説明書や、電気やガスの取り扱い説明書があった場合は、捨てずに取っておいてキチンと返しましょう。この後、敷金の返金があるので振込先を伝えるのもお忘れなく。

引っ越し作業が終わったら、部屋は掃除しておいた方が無難です。原状回復にあたって、部屋の清掃代を入れられたら嫌でしょうから。原状回復に関しては国土交通省が「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を出しています。内容は東京ルール(賃貸住宅紛争防止条例)と似ていますが、一読しておけば自分が負担すべき箇所がわかるかと思います。

平たく言えば、日焼けによる変色といった普通に住んでいれば劣化するような箇所は貸主側、たばこを吸っていた為にヤニで黄色くなった壁紙は、入居者が原因で汚れているので借主側といったようになっています。

こうして原状回復すべき箇所の費用を、どちらが払うのかが決まることになります。このとき入居者が負担する費用は、預けていた敷金から支払われます。それでも敷金が残っていたら戻ってくることになりますが、そもそも東京ルールでは退居時のハウスクリーニング費用は入居者に義務づけられるものではないとされています。ただし、東京ルール自体に強制力はないので、原則として行われているのが実情です。

次の住処

退去するからには次の住処はお決まりだと思います。もし、「嫌だから出るけど、次が未定」というのでしたら、このあとの文章がお役に立つかもしれません。東京都内で暮らすなら、大雑把にいえば“山手線の北と東”が相場的に安いです。これはフォレント[2009年10月]の情報です。細かい情報は「家賃の相場と利便性で見るランキング ~東京都編~」でご確認ください。ただ、治安が悪いところもあるので、地名と治安で検索しておきましょう。

礼金、手数料、更新料は払いたくない、保証人もいないというのでしたら、UR賃貸(旧:公団住宅)をあたってください。敷金は三ヵ月分取られると思いますが、大半は戻ってくるでしょう。ただし、一定の収入が必要となります。都営住宅は激安ですがシングルは60歳以上にならないと申し込めません。都民住宅は所得に応じて家賃補助がありますが、単身での入居はできません。

家賃の補助金を給付する「住宅手当緊急特別措置」というものがあります。対象となるのは世帯の大黒柱で、2年以内に仕事を失っていて、住宅も失ったか、あるいは今後失う“恐れ”のある方です。受給するにはハローワークでの求職活動、収入や資産制限といった条件が加わります。話しだけ聞くと面倒な感じですが、特別措置は返す必要のない給付です。

ここまで賃貸住宅について書いてきてなんですが、家賃は貸し主に与えて終わりのお金です。つまりは消費するお金であって、自分には何も残らないものです。そんな状況はいち早く抜けだし、自ら所有する場所を手に入れた方が、一生の収支ではプラスに働くはずです。

そして、余裕があるのなら人に貸す物件を所有して、何もしなくてもお金が入ってくる仕組み、“不労所得”を得られるようにしておいた方が、気楽な人生が送れるというものです。世の中には、一度も働くことなく、不動産所得だけで食べている大家の二世がいます。ということで、借りるより、買ってみようか、俺の部屋。格安物件の話を少しします。

首都圏の新築マンションは一戸あたりの平均は4,000万円前後です。しかし、東京でも八王子の方、埼玉や千葉に行けば中古のマンションが200万円台後半からあります。駅から徒歩30分、駅からバスで15分&バス停まで徒歩5分、といった条件の物件が目に付きやすいですが、一度払えば所有権はあなたのものです。賃貸と違って固定資産税を払う必要がありますけどね。

土地の評価額に関しての一軒家とマンションの違いは、敷地全体の面積を居住用住戸の戸数で割った面積で判定されることでしょうか。その分お得ですが、建物の評価額は一軒家よりも売買しやすい分だけ高くなり、あれこれしてくれる人が居るので管理費が要り、全体の修繕に備えて修繕積立金が発生します。一軒家を購入しても修繕は必要でしょうから、両方ともに中古物件はリフォーム履歴を確認しておくべきでしょう。

金利が安いのなら、マンション購入ではローンを組んだ方がお得になることがあります。一括よりもローンがお得というのは、確定申告で住宅ローン控除があるからです。ただし、期間が10年以上で50平米以上の物件が対象だったかと思います。ただし、銀行が絡むと自分で登記しづらくなる場合がありますので注意。

「いきなり買うだけの資金は……」というのでしたら、譲渡型賃貸住宅という手もあります。高齢化が進む地域に多く見られますが、決まった年数をそこで暮らせば家が貰えるものになります。余談ですが、言葉だけ似ているものだと「建物譲渡特約付借地権」があります。

何処でもいいから安くマンションをというのでしたら、バブルの負の遺産「西武ヴィラ苗場クリスタル1号館」は如何でしょう。値段を見てビックリです。関東の一戸建てなら、「茨城県 鉾田市」辺りが安いです。他にも「公売情報」を見れば安いのはあるかと思いますが、面倒なのに手を出して厄介事に巻き込まれるとねぇ……。

ちなみに、売買価格が400万円を超える不動産売買の仲介手数料は、売買価格の3%+6万円+消費税(速算式)だと、「マンション売却・購入のREDS(レッズ)」で書かれています。